金利の動向は、株式市場や為替市場のみならず、あらゆる金融市場や景気、経済に大きな影響を与えることから、投資をする上で必ず見ておかなくてはならない動向です。
金利の動向が、なぜそこまで金融市場や景気、経済に影響してくるのかというと、金利の動向によって世の中のお金の量が変わるからです。
金利の動向によって受ける影響は業種によって異なるのが前提ですが、単純に考えるのであれば、金利上昇は株価下落要因、金利低下は株価上昇要因となります。
金利は、簡単に言えばお金のレンタル料です。金利が上昇するということは、お金のレンタル料が高くなるということですので、お金が多く取られることになります。お金が多く取られるということは、相対的に市場に出回っているお金の量が減っていきます。お金の量が減れば、みんなお金を使わなくなってきます。消費は落ちますし、投資に使うお金も少なくなります。ゆえに、金利の上昇は株価下落要因となるのです。景気がよくなってくると、バブルに発展しないように、中央銀行が金利を引き上げる政策をとりやすくなります。その場合、株価下落要因となりますので、株式投資では注意が必要です。
逆に、金利が低下すると株価上昇要因となります。金利が低下するということは、お金のレンタル料が安くなるということですので、お金を借りたい人はお金が借りやすくなります。お金を借りる人が増えれば、相対的に市場に出回るお金の量が増えます。お金の量が増えれば、消費が増えて景気がよくなりやすいですし、消費が増えるのであれば、企業は設備投資を増やしてもっと売りたい、となって相対的に好景気となりやすいです。また、お金の量が増えるということは投資に回ってくるお金の量も増えるということですので、株価上昇要因となるのです。金利の低下はこのように好景気を呼びやすくなることから、不景気の場合に中央銀行が金利を引き下げる政策をとりやすくなります。
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