「企業業績と株価の関係」のページで、企業業績が株価の変動要因となることを解説しました。では、実際、企業業績はどのようにして見ればいいのでしょうか。企業業績は決算書で見ることができます。決算書は「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」の3種類で構成されるものですが、これらの決算書をただ眺めるだけでは企業業績を分析することはできません。決算書で最も注意して見ておかなければならないのは、
「業績の変化率」です。
「変化率」というのがポイントとなります。
例えば、ある企業の前々回の決算で利益が1億円出ていたとします。そして、前回の決算では利益が1.2億円に増えていたとしたら、前々回と前回の企業の利益の変化率は「+20%」ということになります。
次に、今回の決算では利益が1.3億円に増えていたとします。利益が1.2億円→1.3億円に増えているので良さそうな決算なのですが、利益の変化率を見れば「約+8%」です。季節要因などを考えなければ、前々回の決算と前回の決算の利益の変化率は「+20%」だったので、利益の伸び率は下がっていると見れます。
こういった場合、株価は往々にして下がります。利益の数字が伸びていても利益の変化率(伸び率)が下がっているので、業績の鈍化が懸念され、投資家はこの企業の株式を手放したくなりますので、売り圧力が増えて株価は下落しやすくなるのです。基本的に企業業績は、このように「変化率」で見ます。
また、もう一つ、企業業績を見る上で注意して見なければならないことがあります。それは、
事前のアナリスト予想と比べてどうか
ということです。
企業の業績は、アナリストが事前に決算の数字を予想しています。投資家はそのアナリスト予想を参考に投資を行っていることが多いので、決算発表があった時、決算の数字と事前に予想されていた「アナリスト予想」の数字を見比べて企業業績を判断する必要があります。もし、実際に出た決算の数字がアナリスト予想の数字に届いていなければ株価下落要因、アナリスト予想の数字を上回っていれば株価上昇要因、同じような数字であれば材料出尽くしで株価下落要因となるのが一般的です。
決算発表の時には、合わせて
企業の来期の業績予想
も注意して見ておきましょう。株価は将来の業績を織り込んでいくものなので、今期の業績に比べて来期の業績が良くなりそうなら株価上昇要因、悪くなりそうなら株価下落要因となります。
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