株式などの金融商品は、将来のキャッシュフロー(金銭の流出入)を現在の価値に測り直して価格が付けられており、株式の場合も比較的安定的に得られる配当という将来のキャッシュフローがあり、このキャッシュフローを現在の価値で測ることが可能です。ゆえに、株価を考えるのは、株式のキャッシュフローである配当が将来どうなるのかを考えることであるとも言えます。
現在の株価は、将来の株価と配当を期待リターン(期待収益率)で割り引いたもので、以下のような式で表されます(ここでは1年後に想定される株価をP1として考えます)。
P0:現在の株価 P1:1年後の株価 D1:配当 k:期待収益率 |
期待収益率とは、投資家がその株式に投資することで期待する収益率で「期待収益率=市場金利+リスク・プレミアム」で表されます。
と、ここで上記の式を「k:期待収益率」を求める式に変えると、以下のようになります。
例えば、現在の株価が500円で1年後に想定される株価を550円、配当が5円とした場合、
となり、その株式を株価500円で買った投資家は、11%の収益率を期待していることになります。
少し解説が回り道になりましたが、「P0=(P1+D1)÷(1+k)」の式に話を戻すと、要するに、現在の株価は、将来の株価と配当を期待収益率で割ったものということになります。
定率成長配当割引モデルとは、毎年一定の割合で配当額が成長するという仮定をもとにした計算方法で、配当割引モデル(DDM)の基本的で一般的な形式で、以下の式で表されます。
これはつまり、株価は配当と期待収益率(市場金利+リスクプレミアム)、そして成長率で構成されるという考え方です。
例えば、株価が上昇するには、配当が増えるか、市場金利やリスクプレミアムが低下するか、成長率が高くなる必要があります。つまり、株価予測は、配当・市場金利・リスクプレミアム・成長率を予測する必要があるということになります。
ただし、一般では将来の市場金利・リスクプレミアム・成長率をそれぞれ予測するのは困難であるため、株価予測は通常、将来の配当を予測することになりますが、配当は利益を源泉としますので、株価予測は将来の利益予測をすることと言えます。ゆえに、こういったモデルは、金利動向などが株価にとって重要であったり、利益が上がることが株価の上昇要因になる、といったことを示す考え方と言えます。
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